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【sexykent】 オイルショック+ベビーブーム世代の元デザイナー。芸術や音楽に早くから目覚めたが、才能を伸ばすほど追求せず。いいかげん我とアートの関係を問いただしたくなった矢先、一切のデザイン生命を絶ちきる。そして今、仕事と生き甲斐をリセットして歩んでいる。目下、iOSが人生を変えると信じ込み、精進中。

 

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裸なる一族《後編》
KIRIN「ファイア」に水出しコーヒー登場?!缶コーヒーもついにここまで…でも水出しなんだから、FIREはないだろうと思うsexykentです (・_・) 来月は実家のコーヒー屋に帰省します。まぁ、たまにはね…

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 最雨無(さうな)から開放されて向かつた先は露天風呂である。この日、快晴に恵まれた東京地方の陽気により、真昼間の真裸の解放感は最高であつた。露天風呂は紅茶のやうな色をした、地下千五百米から汲み上げたとされる天然温泉である。源泉として囲われている部分と幾分温度調整したと思われる生簀に別れており、その一角の寝湯呼ばれる部分に身を委ねる。見上げた青空と、肩から上を冷ます五月の空気に酔いながら、自然と体は湯船に浮いてくるのであつた。

 露天の中庭に配置されているのは、他にも桶風呂、絹風呂、寝ころび風呂、珊瑚蒸し風呂である。このうち珊瑚蒸し風呂は、低温最雨無であり、高温のそれが苦手な向きには丁度良い。石椅子の脇には、汗を流すためのかけ湯蛇口もあり、肌を塩揉みする為の巨大な塩壷もある。女湯と背中合わせに位置する寝ころび風呂は、呼んで字の如く、完全に横になる風呂である。お湯の深さは僅か掌厚であり、背中と肩を温める程度である。しかしこの体勢で風呂を堪能出来るという風情は、恥ずかしながら小生は初めてにして最高と思えた。

 桶風呂は比較的どこにでもあるものだが、狭い風呂に入るのであれば我が家の湯船と変わらないので、早々に退散。そして、やはり塩素臭が漂うが、風呂として気に入ったのが絹風呂と呼ばれる、超音波風呂である。絹の文字を冠するこの風呂は白濁して居て、身体に気泡がまとわりつく。超音波によりお湯を活性化させると共に、骨の芯を震えさせて温めるという電気的な風呂であつたが、確かに身体の芯から軽くなる気が為て、殆ど独占状態の浴槽で身体を浮かせては腰をくねらせる腹筋運動に勤しんでしまつた程だ。

 充分に暖まつて脱衣場へ向かおうとすると、中居と思しき若き女性が掃除の様子で中に入つてきた。手には雑巾と手賦澪(すぷれい)を持つており、茶髪をしなだれせて、あまり前を覧ないように為て居た。仕事とは言ゑ、見比べられる此方の立場もあり終始気になつたのは言うまでもない。加えて、浴室の隣には韓国式垢すりという予約制の施術空間もあるのだが、予約客を呼び出しの為に女性が出入りする仕組みもあつた。男と言う生き物は、此れしきのことで動じては活けないのだが、対場が逆であれば大問題と為れるのに不公平感を感じずにはいられない。

 体を拭って借用した羽織に着替えた後に、建物の二階へと移動する。岩盤浴が本格的な物か、紛い物なのかは、小生には分からない。温泉入浴と岩盤浴を併せて、千五百円也が高いのか安いのかも分からない。ただ、週末と違って混んでいる訳でもなく、時間制限や回数制限があるのでもなく、あまりに若人向けであったり年配寄りであったりするのでもない。腕に結わえ付けた電子縞で自動販売機の飲み物さえ買える。ゆっくりと堪能しながら体を癒すのには、悪くないであろう。

 さて、岩盤浴初体験となる小生であつたが、予備知識として知つていたことといえば、汗をかいても射泡(しゃあわ)で流さないということぐらいである。主に若い女性が美容のために使用していると聞いていたので、温泉や銭湯にあるものが同等なのかどうか半信半疑でもあつた。

 岩盤浴の部屋は大きく四つに分かれており、それぞれ漢字一文字で名前が付いている。最初に入つた「彩」は、怪しげで涼しい金属音で奏でる音楽を子守歌に、静かに横たわる、摂氏四十二度の部屋。最初は気付かなかったが、一人が横たわる一畳の区画は、敷いてある石の種類が所々違つており、何度も楽しめると言う趣向になつている。一番最初に入つたということと、水分の補給もしていなかつたので、かなりの新陳代謝で汗が噴き出すのも苦しく、直ぐに弱音をはいて次の部屋へ移動してしまつた。そこは「凛」と名付けられており、本来であれば、岩盤浴の他の部屋と交互に入ることで肌細胞の活性化を図るものらしい。「薬」の部屋は、蓬のやうな香りが漂つていて、樹木の風体を真似た飾りで囲われてあつた。「塩」の部屋は摂氏六十一度と一番高温であつたが、他の部屋が湿気が多いのに比べて乾いていたので一番楽であつた。

 各々の部屋を渡り歩き、拭き出した汗を眺めながら笑つていいともを観ながらまつたりと時間を過ごす。だんだん気になつていつたのが、匂いである。最初は、近くに座つている婦人の加齢臭かと思つたが、場所を移動する度について回るので、それが自分のものであることにやがて気付いた。では、それが小生の加齢臭であるかというとそうではない。この借用した羽織が、充分な天日で乾燥された物ではないため、汗で濡れた際に納豆臭を放つていたのであつた。その絡繰りを考えただけでも着心地が悪かつたが、どうせならばと再度各岩盤浴で汗を放出させ、最後にもう一度温泉に浸かることにした。

 温泉へ戻ると、心なしか王様達は増えており、長風呂が出来そうな不感温泉はその人ごみを、失敬、と会釈しながら入らなければならないほどであつた。不感温泉とは、摂氏三十数度の温かくも冷たくも感じない、謂わばぬるま湯である。最後にそこに浸りながら、ふと前の輩をみると、眼鏡や腕時計をしっかりと付けながら、手首から上だけを濡らさないように水面に出して読書に浸っている者があつた。…華麗なる一族という表題のその小説を、男は黙々と呼んでいるのだつた。

 観察ついでに周囲を見回すと、その風体から年齢を伺い知ることのできる、裸なる一族であつた。重力に抵抗出来なくなった皮膚と脂肪は、かろうじて骨盤で支えられており、横に成長しているかのやうに見える。細いなりにも筋肉質な若人もいたが、それにしても華奢という印象さえある。丁度良い釣り合いの肉体美というのはかくも難しき課題であり、小生もその裸なる一族の一員になろうとしていることに危惧を覚えながら、ちらちらと品定めをしているかのごとく送つている視線を伏せる。男色の性癖などないからして、誤解なきよう読者諸氏に強くお願いしたい。

 末筆であるが、温泉へ浸かる際に、ご自分の息子を覆っていた手拭いを頭上に載せるという奥ゆかしき習慣を、日本男児は捨ててはならないと思う。《完》
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